百物語 投稿者:担当者

最後のお話は、コープスパーティー担当者よりいただいた実話です。

この百物語を募集~投稿していくにあたって、担当者の身に不可解な事が多く起こりました。
最終話はそのお話で締めたいと思います。

ケース1:ずっとついてくる人影
それは昼間に一人で百物語の編集作業をしていた時のことでした。
風通しのために開けていた部屋のドアが「キィ・・・」と音を立てて勝手に開きました。
風が吹くと軋むこともあるのでそれ自体は珍しいことではないのですが、その開いた隙間を一瞬黒い人影が横切ったのです。

家には一人、家族も皆留守にしていました。
それに、こんな昼間にドアの向こうに漆黒が見えることはまずありません。
この時は(怖いものを編集しているから錯覚を見たのだ)と自分に言い聞かせて、ドアを閉めました。

―それから数週間後。
人影の事はすっかり忘れて仕事に没頭し帰宅が深夜0時をまわったある日、それは突然起こりました。
家路につく道の脇のビルに黒い人影が立っているのです。
「そこだけ黒くモヤがかって、向こう側が見えなくなっている」という表現が正しいような見え方でした。
気味が悪いので携帯でも見て気を紛らわせようと思い、目をそらした一瞬でその影は消えてしまいました。

それからというもの、数日置きにその影は私の前に姿を表すようになったのです。
ある時は電柱の影に、ある時は車が横切る向こう側に、ある時は公園の草木の奥に、ある時は職場の会議室に…。
一瞬で消えてしまうし、見えること以外に実害があるわけではないので困ってはいないのですが、
だんだん現れる距離が近くなってきていることだけが気がかりです。

ケース2:心霊番組

私は心霊番組が好きで、夏の心霊特番などを録画したり、ホラー映画を自宅で見たりすることが多いのですが
先日録画した心霊番組でありえないことが起こりました。

その日は友人とオンライン飲み会をしていました。
酒の勢いもあって「夏だし怖い話をしよう!」という事になり、1人ずつ順番に渾身の怖い話を披露していきます。
私が話し終わった時、急に自宅のTVがつき先日予約していた心霊番組が勝手に流れ始めました。
画面の向こうに心霊映像が映し出され、女性の顔が出てきたところで止まりました。

もちろんリモコンには触れていませんし、うちのテレビは勝手につくタイプの機能があるものではありません。
録画した映像が勝手に流れたというのも初めてのことでした。
ありえない現象だったので、一気に怖くなり即テレビから録画した心霊番組をすぐに削除しました。

オンライン飲み会の友人たちにも一部始終が見えており、「これはヤバいよね…」という温度感になったため怖い話をするのはそこで終わりになりました。
一晩中友人たちに通話をつないでいてもらった状態でなんとか朝を迎え、それからは何も起こっていません。
一体あれは何だったのでしょうか…。
そして、黒い影はまた現れる日がくるのでしょうか…。

現在進行形で続いている現象があるので、ただただ恐怖です。

…こちらの報告をもって、みんなで創る百物語企画を終了とさせていただきます。

たくさんのご応募、ありがとうございました。
皆様の身には何事も起こらないよう、心より祈っております。

コープスパーティー公式 百物語担当者より

カテゴリー: みんなで創る百物語

山奥の一輪の花 投稿者:パンダ番長だんぞう

半日かけて見つかったのは帽子だけ。
その先に、こんな場所では珍しい一輪の花。

「近寄るな」
捜索に協力してくれた地元の方が私の肩を力強く掴む。

「チョウチンアンコウって知っているか? 山にも似たようなのが居るんだよ。彼はもう戻ってこない」
無言で山を降りる。

捜索は打ち切られた。

カテゴリー: みんなで創る百物語

「祈り」 投稿者:マシンガンジョー

飼い猫が死んだ。
死んだら神様になるものだと幼い頃の後藤田さんは思っていた。

だから、近所に住む矢田さんというおばあさんが腰や足が悪いというのを聞いて、

ならばと考えて子供ながらに
猫の遺体と一緒に、生きた昆虫や、ヤモリなんかをつかまえてきて、
丁度矢田さんの家の真向かいにある空き地の隅に穴を掘り埋めた。
図書館で読んだ「即身仏」からヒントを得たという。

これで、矢田さんは元気になる。
そう思った。

だが、その翌週、
矢田さんの葬式が行われた。

母親が言っていたことには、なんでも夜中寝ていると、いろんな声がして眠れない。
お袋は死ぬ前にそう言っていたと矢田さんの息子さんが葬儀の席で話しているのをちらりと聞いた。

話は、以上だが、
後になって母親などに改めて詳しいことを聞いてみたりした部分を捕捉してある。

「子供って平気で残酷なことするよな」
一流企業に勤める身としては、消したい過去のひとつだという。

カテゴリー: みんなで創る百物語

私、暗いお部屋がいいの 投稿者:Mari

今からもう十年以上前の話になる。当時、新卒でがむしゃらに働いていた俺は、諸事情で一人暮らしをすることになった。
 そんなときに、不動産会社に就職した大学の同期の悪友の純(仮名)が、平屋だが、一軒家の賃貸を紹介してきたのだ。
 一軒家の賃貸なら、とんでもなく高いだろうと思ったが、なんと、家賃は六万円だという。おまけに、敷金礼金はゼロ。明らかに事故物件だとしか思えなかった。

「事故物件は事故物件なんだけど、死人は出てないから」
 純は、強引に俺をその一軒家に連れていった。見た目は洋風でオシャレ。悪くない。中身も、最近リフォームをしたそうで、とても綺麗だった。
「どうだ。これなら文句ないだろう」
 純は得意げに言うが、俺は、この家のとある奇妙な点に気付いていた。
「あのさ、ここに床の色が明らかに違う箇所があるけど、地下室を封鎖してるとかじゃないよな?」
 俺が聞くと、純はあからさまにギクッとした。
「……お前は勘がいいな。普通は、せいぜい血の色を隠したんじゃないかと思うぐらいなのに。実は、そうなんだよ。地下室だけ、その……女性の生霊のようなものが出るらしいんだ。だから、リフォームのときに地下室に行く階段を塞いだんだとか」
 若かった俺は、その程度の事情なら、安く住めるならいいと、無謀にも思ってしまった。契約することに決めると、純は厄介な物件が片付いたと大喜びだった。

 引っ越したところ、独り身に一軒家は広すぎたが、予想以上に快適な生活だった。
 しかし、俺は、悪夢に悩まされるようになった。
「私、お外はまぶしいから、暗いお部屋で暮らすのがいいの」
 そう、年齢不詳の女性がずっと言い続けている夢。ただそれだけのことなのだが、毎日続くと、不気味でしょうがない。

「話すのも嫌な話なんだが……」
 純にそのことを問い詰めると、渋々といった調子で話し出した。
 なんでも、家には昔、明かりもろくにない地下室でずっと生活させられていた少女がいたらしい。
 ある日、警察に少女は保護されたものの、その後、どうしているのかはわからないんだとか。
「地下室でずっと生活させられていたなんて、ゾッとするな。解放されてからも、普通に生活していけているかどうか、心配になるよ」

「俺、引っ越すわ。引っ越し費用は、お前持ちな」
 俺は、純のその言葉を聞いて、大急ぎで引っ越しの準備をはじめた。
 なぜ女性が地下室に生霊として出るのか、そして、女性の言葉の意味がわかったからだった。

 ずっと地下室で暮らしていたということは、当然、外の世界は、いろいろな意味でまぶしいだろう。だからこそ少女――もう女性と呼べる年齢なのだろうが――は、いまだに地下室に生霊として出るにちがいない。
 それが間違っていることだとしても、彼女にとっての居心地のいい場所は、きっと地下室だけなのだ。
 俺は、そのあまりにも悲しい事情に耐えることができなかったのだった。

カテゴリー: みんなで創る百物語

内見先の天井 投稿者:R

これは私が実際に体験した出来事です。

仕事の都合で年内に引っ越さなくてはいけない状態になったため、水曜日でも開いていた地元の小さい不動産屋に駆け込むと穏やかでおとなしい感じのヒョロっとした男性が担当として出てきました。
必須条件を伝えると何件か今日のうちに見に行ける物件があるとのことで、早速不動産屋の車で内見に向かいました。

一番最初に訪れたのは、お世辞にもきれいとはいえない木製のボロアパートでした。
外観の印象から住む気が失せたものの、最近はリノベーションなどで中がきれいな物件も多数存在しているので(この物件ももしかしたらその類かもしれない…)という淡い期待を抱き、中まで確認することに。
中に入ると期待は裏切られ、外観通りのボロアパート。
13畳ほどの和室に木の床の古い作りの台所に出迎えられ残念な気持ちになりつつも、住めば都と言うし、せっかく来たんだから見ておこう…と気を持ちなおし内見続行。

「作りは古いですが、その分昔のサイズ感で作っているので収納などは多いですよ。」
こちらの心情を察したのか、とっさに不動産屋のフォローが入る。

「台所は大きめのシンクですし…このようにほら、押入れも大きいので!」
ガラガラとふすまを開け締めして、収納力をアピールしてくる。
何も聞いていないのだから、ちょっと黙っていてほしい。

不動産屋の言葉に適当に相槌を打ちながら和室に入ると、やや埃っぽい感じの木の板張りの天井が目に入りました。
「…和室は天井まで木張りなんですね、趣がありますね。」
と独り言のようにつぶやくと、
「そうなんですよね~!今は都内ですとこういう和室も少ないので、オツなものですよ!正直この価格帯でこういった和室は今ありませんから!オススメですよ~!」と妙に明るい返事が返ってきました。

内見前とは違う不動産屋の態度に違和感を感じながらも、1軒目の内見を終え次の物件へ。

2軒目からは不動産屋はテンションも低く、良くも悪くも普通の内見といった感じで進行。
最終的に全4軒の物件をまわり、内見は無事終了しました。

他の物件もそれなりのものが多くどこにするかと悩んでいると、
不動産屋が「お悩みでしたら、最後にもう一度1軒目の物件を見に行きませんか?」と声をかけてきました。
なんだかやけに1軒目の物件を勧めてくるな…と思いつつ、再度1軒目の物件へ。

すっかり日が暮れてからのアパートは妙に暗く、昼間のイメージよりもさらに悪い印象でした。
(これは…中はさっき見たしもう入らなくてもいいかな…)と考えていると、
「せっかく来たんですから、夜の電気をつけた状態でも中を見てみてくださいよ!」と不動産屋がまたゴリ押ししてきます。
半ば強引に中に入り、先程の和室に目をやると…

天井に大小様々な手の跡がびっしり。

一瞬息が止まりました。
最初に来た時はこんな跡はなかったんですから。

それまでは明るくこの物件をなんとか契約させようと勧めていた不動産屋も
小さい声で「すみません…」と言ったきり黙り込みました。

もちろんその物件は契約せず、今は後日別の大手の不動産屋で紹介された綺麗なマンションに住んでいます。
あのとき契約してあのボロアパートに住んでいたら…一体どんな生活が待っていたのでしょうか。

カテゴリー: みんなで創る百物語

雨の気配 投稿者:パンダ番長だんぞう

足先に黒い水滴がぽつ、ぽつと咲いたから、折りたたみ傘を取り出して広げた。

ぴんと張った傘は予想を裏切り、雨音一つ響かせない。
なのに足下に雨が落ちる音は次第に増えてゆく。

黒い雨の跡が靴の周りでだんだんとつながり始めたから、慌ててその場を離れた。

どう見ても乾いているアスファルトに、私の足音だけが濡れた音を響かせる。
一人でいたくなくて、目についた最初のコンビニに飛び込んだ。

全く濡れていない傘をたたみ、足下を確認すると、靴も床も全く濡れていない。
ホッとした私の耳元に、今度は蚊のようにしつこい雨音がまとわりついてきた。

カテゴリー: みんなで創る百物語

祖父の足音? 投稿者:ぽんぬ

少し前のことです。

僕は今の、一人暮らしをしてて実家から90分くらいのところに住んでます。
3連休や夏季休暇には必ず実家に帰って両親と食後したり旅行に行ってます。

ある時、いつものように実家に帰ると母親から、さっき帰って来なかった?と聞かれました。
僕は今帰ったところだよと伝えたんですけど母親が言うには僕の声で「ただいま」と聞こえ階段を昇る足音も聞こえたそうです。
不思議なのは父親も同じように聞こえたと言ってます。

気持ち悪いなぁと思いながら階段をのぼって元自室に入りました。
特に変なところはなくその日は就寝しました。

深夜に母親が「いい加減に寝なさい!」と声を荒らげていました。
どうしたのかな?と思い部屋を出て母親に聞くと下の部屋から僕の声で笑い声が聞こえたそうです。
テレビの消し忘れかと思い確認しに行きました。

下の部屋は電気が消え誰もいなかったのですが、部屋の異変には気づきました。
仏壇の供え物と祖父の写真が倒れていました。
そのままにしておくのも悪い気がしたので写真を立て部屋を出ようとしたら、祖父の声で「〇〇(本名)帰ってたのか」と聞こえた気がしました。
驚いて写真を見ると心なしか祖父が嬉しそうな顔をしていました。
祖父はお酒が好きだったので缶ビールを供えて恥ずかしい気持ちもあったので「うん、お昼に帰ってきたよ」と簡単に伝えて寝ました。

そういえば祖父は僕が二十歳になって一緒にお酒を飲みたいとよく言ってたなぁと思い出したので写真を1枚もらって帰り、その日は写真と向い合せでお酒を飲みました。

帰った時の足音が祖父だったのかわかりませんが怖いような不思議な体験でした。

カテゴリー: みんなで創る百物語

「邪な願い」 投稿者:マシンガンジョー

願いと呪いは似ている。 

「死んでほしい」という願いと、
「生きてほしい」という願いは、
方向性こそ違うが同じくらいの強さを持った願いであり、一方は呪いだ。

そんな話を聞いた。

琴音さんという女性には、二歳下の妹がいた。
ずっと昔から仲がよくてね、どこへ行っても二人だった。

「妹には幸せになってほしい」
「姉には幸せになってほしい」

そんなことを互いに思うくらい二人は仲良しだ。

ただ、妹の方は重病にかかってしまった。
「持って半年」
なんて医者から言われたという。

姉である琴音さんは、ひどく哀しんだが、
お参りなどをして、ずっと神様にお願いしていたという。
気休めでも何かをしないではいられなかった。
手の施しようがなく医者でさえどうすることもできない。

無情な運命が突きつけられる。

妹に会った、最後に病院のベッドで
妹さんが、姉の手をつねり、琴音さんにしか聞こえない掠れた声で
「お、おまえ、何を願ったんだ…」
琴音さんは、せめて治らないなら早く苦しみから解放させて、楽に死なせてあげてください。
と、祈ったことを伝えると、

「ヒトゴロシ」
と妹は言ったまま黙ってしまった。

琴音さんは、笑いながら
何事もなかったように、
「寝ちゃったね」
と言って、ごまかした。

「でも妹は幸せだったと思います。最後は家族の者に看取られて」

でも、と琴音さんは言う。

「本当は私妹のことそんなに好きじゃなかったかもしれない心のどこかで死んでほしいと願っていたかも」
と、少し冗談めかして笑っていた。

やはり願いと呪いは似ている。

カテゴリー: みんなで創る百物語

誘うモノ 投稿者:れお

これは私が実家近くの山へ母と愛犬と出掛けた時の話です。

そこは、ロープウェイがあり山頂がちょっとした観光地になっている場所で、よくテレビでも特集されているような有名な山でした。
車ではまだ行ったことがない山だったため、カーナビをセットして母の運転で向かいました。

高速道路も渋滞しておらず順調に進み、幸先の良い旅のスタートでした。

問題が起こったのは下道に入ってからのことです。
地元の人しか通らない道を法定速度で進み、無事目的地の山が見えるところまできた時のことでした。

ポーン
ナビが急に音をあげました。

「次の角を右折です」

そこは田舎の一本道、右折する道なんて存在していません。
ナビの位置情報がバグったのだろうと思い、そのまま道なりに進むと
車が2台ギリギリ通れるかも?というくらいの幅の山道にたどり着きました。

「…ここ入るの?」
「でもナビはこの先の道に誘導してるから…」
「すれ違い怖いけど、仕方ないね」

入り口の狭さから不穏な空気を感じつつも、一応道はあることと
ナビをたどって見てみると最終的には目的地に旗が立っていたためその山道を進むことにしました。

ガタガタガタ…
山道は石や木がゴロゴロしているオフロード状態で、タイヤが大きな音を立てて道を進んでいきます。
山の中ということもあり、鬱蒼と茂る木で影になる箇所が多く昼なのに暗くじめじめとした空気が漂っていました。

その道を30分程走った時、少し開けたところに出ました。
広場のようなところで、中央に大きな石が立っていました。

ポーン
ナビがまた音をあげます。

「目的地周辺です。案内を終了します。」

目的地周辺?
そんなわけがありません。
ナビはたしかにここを指していますが、今いる場所はテレビで見ていた山頂とはほど遠く、何もないに等しい場所でした。

すると急に後ろで寝ていた愛犬が吠え始め、落ち着きがない様子で車内をウロウロし始めました。
目的地とは違う場所に案内された恐怖と、言葉にできない雰囲気の悪さと、犬の尋常ではない様子に怖くなった私たちは、その広場でUターンして急いで山を降りました。

山道を降り、別の道から入り直したところ無事に本来の目的地に着くことができました。

ただひとつ…広場にあった大きな石のそばをUターンで通った瞬間、
私の目にはそこに書いてあった「慰霊碑」の文字が目に入っていました。
母は運転に夢中で見ていなかったようなので、怖がらせまいと思い未だにその文字の話はしていません。

私たちを誘ったのは誰で、一体なぜ私たちだったのでしょうか。
あれから何度かあの山へ行っていますが、再びあの場所へ誘導されることはありませんでした。

カテゴリー: みんなで創る百物語

エンゼルさん 投稿者:R

私が小学3年生だった時の話です。

私のクラスでは、こっくりさんとエンゼルさんが流行していました。
放課後になると女子たちが集まり、今日はこっくりさん・明日はエンゼルさん…といった調子で気軽に行っていたのです。
私もその中の一人でした。

運が良いのか悪いのか…
こっくりさんもエンゼルさんもいつも何事も起こらずに終わっていたので、私達にとってはオカルト的な遊びというよりもおにごっこやどろけいと同じ類の「いつもの遊びのひとつ」になってしまっていました。
本来はオカルト的な怖いものだという意識がすっぽり抜けてしまっていたのです。

その日もいつもと同じように友人からの「エンゼルさんをしよう!」という声かけで、放課後の教室に残っていました。
いつも通りの手順でエンゼルさんと交信し、無事に終わりの決まりごとまで済ませたあと、なぜだか怖い話をする流れになりました。
何人かが話し終わって私の番になり、渾身の怖い話を披露し終わった時のことです。

バーーーーーーーーーーン!!!!

教室の一番うしろの席の椅子がいきなり倒れたのです。

その瞬間、
「キャー!!」
私たちの悲鳴が学校に鳴り響きました。
荷物を持って教室を飛び出し、一目散に家に逃げ帰りました。
心臓がバクバクとうるさかったことを今でも覚えています。

次の日学校へ行ってクラスの皆に昨日の話をしたところ、段々と誰もこっくりさんやエンゼルさんをしよう!と口にしなくなり自然と流行は廃れました。

誰も触れていない椅子が倒れた理由は、未だにわかりません。

カテゴリー: みんなで創る百物語