お稲荷さん 投稿者:ぽんぬ

僕は京都出身で幼少期は伏見稲荷や千本鳥居で遊んでいました。

当時は今ほど餌付けにうるさくなかったので神社には鳩がたくさんいてエサをあげたりして遊んでいました。
親戚と遊ぶ時は千本鳥居で鬼ごっこをしたりかくれんぼをしたり。
途中から近所に住む同年代の女の子も混ざって遊んでいました。
女の子がもっと奥まで行こうと誘ってきたので僕や親戚はついていき開けた場所で寝転がったり。

気がついたら寝てしまっていて辺りも暗くなったため、そろそろ帰ろうという話になったのですが、女の子はもっと遊びたいうちに泊まりなよと言うのですが、遅くなると叱られるため帰ると一方的に伝えて帰りました。
遊びなれた場所だったのですが、来た道をいくら歩いても入り口に戻れず親戚も段々と不安な顔になっていました。
1時間くらい歩いても戻れないので女の子のいるであろう場所に戻りました。

かなり歩いたのですが、そこへ戻るまでは数分足らずでした。
親戚がお父さんに迎えに来てもらいたいから女の子の家の電話を貸して欲しいと言って女の子の家に行きました。
僕はその場で待っていたのですが待てど暮らせど戻って来ず。

女の子が進んで行った道に向かったのですが民家らしき建物はなく仕方なく元いた場所に戻りました。
数十分後、親戚がお父さんに電話したからそれまで女の子と遊んで待っていようと言うので早く帰りたかったのですが、また遊びました。
しかしいくら待っても叔父さんは来ないので不安になり泣いてしまいました。

女の子はオロオロとしだして、また遊んでくれるなら帰ってもいいよ?と言うので遊ぶ約束をしてその場をあとにしました。
するとさっきは1時間かけても出れなかったのにほんの数分で入り口につき車で迎えにきてくれた叔父と合流しました。
当然母親には叱られ言い訳や女の子と遊んでいた、道に迷ったと言っても信じてもらえず…
どこで遊んでいたのか聞かれたので話したのですが、そんな場所はないし叔父の所に戻った時間も考えても入り口から数分くらいのところでしょ、と親戚共々叱られました。
狐に化かされたのか女の子はなんだったのかわかりませんが不思議な気持ちと不安な感情、楽しかった記憶として今でも覚えています。

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