カカレテカタラレタタラレテ 投稿者:GSY-UcD

私は、とある部屋で目覚める。

『ククク…もう月明かりが、雲で隠れてしまったわね。』
灯りが無い部屋の中で、1人コーヒーを飲む音と女性だろうか?声が聞こえる。
『あら、ごめんなさいね?私…こんな夜の景色が好きなのよ。』
女性は、コーヒーカップをテーブルに置いて近くにある椅子に腰を降ろした。

『如何だったかしら、私の話は?あまり退屈にはならないように話したつもりなんだけどもクフフ。』
女性は、笑みを浮かべ綺麗な脚を組んで感想を求めてきた。

『何?その顔…感想の一つも言えないのね?つまらない…男。やっぱり、私が興味を持つのはフフフ。』
女性は、手を頬に当てながら言ってきたが急に興奮しはじめた。

『私は…貴方無しでは。だから…お前みたいな畑の肥やしにもならない言葉しか言えない野郎はぁっ!ブタ箱がお似合いなんだよ! 』
女性は、豹変し襟首を掴み牢屋へと私を投げ入れた。

『アハァ?不様だなぁっ!?貴様に勿体無いくらいのスイートルームだから感謝しろ?アハハハハハハハ!』
女性は、高笑いしながら部屋を後にした。
手首に手錠を掛けては無く、思ったより不自由では無い。

と思った三日後……。

あの女性と…娘だろうか?中学生ぐらいの見た目をした子供と入ってきた。
そして、娘?を椅子に座らせる…すると女性は紙の束をテーブルに置いた。
『ふふ、いい?目の前に惨めな男がいるでしょう?アイツは、何でもないから作品作りに励みなさい。』
女性は、ニヤリと笑みを浮かべ…そのまま部屋を立ち去った。

少女は、紙を1枚取るとスラスラと鉛筆にて書き始めた。

何を書いているのか気になり、聞いてみたのだが。
「気が散ってしまったじゃない!どうしてくれるのよ!あぁん!?」
見た目とは、裏腹に豹変した。
「期待に答えなければ、帰れないのよっ!」
少女は、近くにあった鉄パイプにて格子を殴り金属の衝突にて生じる音で苦しめて来た。

「お父さん、お母さん。」
少女は、泣き崩れた。
心配になり、声を掛けた。

「アンタ何かに、心配される筋合い何て無いわよ!?」
少女は、そう言うと椅子に座りまた筆を進めたのであった。
スラスラと流れるように書き進めていき、どうやらある程度終わったようだ。

そこで、少女は部屋に付いたベルを鳴らすと先程の女性がやってきた。
「出来たわよ、取り敢えず1枚。」
少女は、女性に何かを書いた紙を渡す。
それを女性がニマニマした顔で、読み進めていき読み終わると少女の頭を撫でた。

『ふふ、いい出来よ。この調子で頼むわよ?さてさて…これで実験が捗るわ。』
女性が何気なく言った実験とは?気になってしまい…聞いてみた。
『はぁ?何の実験かって?まぁ、お前も貴重なサンプルだ。見せてあげるわクフフ。』
すると、女性は牢屋の鍵を開けて私を出したが耳元で囁いた。
『変な事をしたら、細切れにして家畜の餌にするからな?』
そう言うと、手錠を付けてきた。

「はぁ~馬鹿な奴、見なきゃ良いのに。後悔するだろうに。」
少女は、ボソッと言った。

後悔?そんなに酷い事を見せようとしているのか?
『ふふ、では行くから来なさい。』
女性に手錠を引かれて、部屋を出るとそこは何処かの施設だろうか?

廊下の感じは、病院みたいだが廊下自体は灯りは床にしか灯されていなく暗かった。
暫く歩くと、とある部屋にやって来た。

その部屋の入口にある、静脈認証だろうか?
女性が、手を当てると扉のセキュリティが解除され開いた。

そして、女性と二人中に入るとその中も最初は暗かったが直ぐに照明が灯された。
部屋の中には、何かの機器一式とガラス。
ガラスを隔てた先に、椅子に座らされてVRゴーグル・イヤホンをされた少女がガチガチと震えていた。
女性に、これは何だ!と思わず問いただすと女性はニヤリと笑みを浮かべ瞳も恐ろしかった。
『何をするかって?実験だよ?』
女性は、先程受け取った紙をスキャナーに読み込ませてからマイクを取り話し掛け始めた。

『もしも~し、ねぇ今さぁどんな気持ちかしらクフフ。』
「誰にも言わないから帰してよ…。」
椅子に座らされてる少女は、泣きながら懇願をしていた。

『安心しなさい…協力してくれたら帰してあげるわ?』
女性は、口では約束を守ると言っているが今見えた表情から察するに約束を守る様には到底思えない。
「小豆沢ちゃんは、どうしたのよ!? 」
『安心しなさい…小豆沢さんも貴女と一緒にいるわククク……。』

どうやら、囚われている少女の知人には小豆沢(あずさわ)という人物がいるようだ。
『では~扇戸さん、貴女の視界に映像が写るからね?ちゃんと、感想を言いながらリポートしてね?』

どうやら、少女は扇戸(おうぎど)と言う名前らしい。
映像をリポートさせる?何をだ?

『ククク…貴方も気になるのね?大丈夫、あの子に見せるものはこっちにも見えるから。』
そう言うと、扇戸の横に何やら器を持った人が立つ。

『はい、扇戸さん?見えるかしら!見てみて…目の前に美味しそうなシチューが見えるでしょう?因みに…扇戸さんって嫌いな食べ物ってある? 』

「ぱ……パクチー。」
『なら、安心ね?じゃあ、このシチューを食べてね?』

そう言うと、映像では口にシチューが運ばれてるのと同時に扇戸の横にいる人間が 彼女に何やら柔らかそうなのを食べさせていた。

『お味は、如何か?』
「お、美味しいです。」

それを見て、女性はニマニマした表情で嬉しそうだった。

『うふふ、良かった。実はね、扇戸さんに言わなければならない事があるの?』
「な、何ですか?」
『じゃあ、この映像を見てもらってから言うわね?』

すると、映し出された映像が何処かの個室なようで髪が長い少女が扇戸と同じように高速されイヤホンと目隠しされ座っていた。

「小豆沢ちゃん?」
どうやら、この少女が小豆沢なようだ。
女性は、この映像を扇戸に見せてどうするつもりなんだろうか?
小豆沢は、撮影しているカメラの方に体が向けられて真正面に向かい合っているような感覚だ。
扇戸が同じ映像を見ているとしたら、目の前に居るような感じだ。

「お願い…私をどうするの?」
「小豆沢ちゃん!私よ!」
扇戸が必死に声を掛けるが、何かしらで声が届いてないようだ。
『ふふん、単なる映像に必死になっちゃって愚かで面白いわね?』
女性は、その様子を楽しそうに見ていた。

だが、小豆沢の前にノミと金槌が現れた。
「え…今から、お前でリアル大工さんごっこをする?な、何を言っているの?今の状況の映像を出す?」
小豆沢は、更に怯えていた。
「小豆沢ちゃんに、何をする気なの?」
すると、映っていたノミを小豆沢のコメカミに当てると勢いよく金槌を振り上げた。
「なっ!や、やめてぇっ!」
扇戸の願いも空しく散り、小豆沢のコメカミにノミが勢い良く突き刺さった。
「ヴッグガァっ!ああ…。」
人間とは、思えない叫びが聞こえる。

「止めてよ…酷い事をしないでよ。」
だが、残酷な事に小豆沢への悪魔のような行為は続き…ノミを金槌で叩く音がきっと扇戸の耳に響いているのだろう。

『うふふ、良いわね?このまま続けなさい。』
女性は、この光景を見て興奮しているようだった。
配下に続けるように、指示を出していたのだが単純に自分で見たいだけなのでは、と思った。

そして、ノミで頭を損壊された小豆沢の頭を映像の手が掴みゆっくりと持ち上げると脳が露になった。
「ぐ…小豆沢ちゃん……小豆沢ちゃんをこんな目にするなんて……。」
扇戸は、泣き崩れた。

すると、映像に何やら熱され具…野菜だろうか?が入った鍋がコンロが室内。入ってきた。
『扇戸さん?泣いてるところ、悪いんだけど今度は料理体験をしてもらいますね?』
女性は、相変わらず笑顔で話す。
「無理…無理だよ、出来ない…出来ないよ。」
『まぁ…いいわ。じゃあ、見てなさいそのまま。』
すると映像の手は、小豆沢の脳を味噌汁を作る時に味噌をお玉で取るように抉り出した。
「うっ!」
そして、それを鍋に入れた。

すると画面の手はごそごそと何かを取り出した。
それは、よく市販されているシチューのルーだった。
それを鍋に入れて混ぜると…暫くして鍋より器によそう。

「こ、これは。」
扇戸が反応したのと同時に、この器に見覚えがあった。

そこで、映像が終わり先程までの映像が映し出されたのだがソコには先程食べさせられたシチューが入った器が1つ。
だが、この器は先程の小豆沢の拷問の時に映っていたものと同じだった。

「うっ……うぷっ。」
扇戸も理解したようで、瞬時に先程食べたシチュー然別体内にあったもの全てを嘔吐をしたかのように自身の脚の上に吐き散らかした。

『ククク…実際には、違うのに。勘違いしちゃって可愛いなぁ?だが…汚物撒き散らしやがって汚いなぁ~?』
女性は、再びマイクを取り扇戸に語り掛けた。

『アハハハ!今どんな気持ち?どんな気持ち?教えてくれないかしら?』
扇戸は、吐ききったようで自分自身汚れてしまったが泣きながら答えた。
「ひぐ…なんで、こんな酷い事を?小豆沢ちゃんや私が何をしたって言うの!」
扇戸は、女性に問いただした。

『アハハハ、食べさせていたのは小豆沢さんじゃないから安心してね?まぁ…シチューの具になったのは変わりないけどね?』
『貴女達を酷い事をした理由は…特には無いかな?偶然、そこに居た。ソレだけだよ? 』
女性は、口元のニヤニヤを隠せてないまま話した。

「そ、そんな。」
扇戸は、絶望していた。

『はい!じゃあ、次の実験はね…これだよ!さっき出来上がったばかりの設定だよニヒヒヒ。』
女性は、笑いながら釦を押すとモニター画面が変わって霧だろうか?先が見えない深い霧に覆われた町並みが見える。

「え?な、何なの?これは?」
無論、モニターの画像と扇戸が見ているものは一緒である。

『え~簡単に言うと、貴女には恐怖を体験してもらいます。』
『ただし、この空間のゴールに辿り着けば実験は終わりにし貴女を解放しますよ?』
「ほ、本当なの?」
『えぇ、私は嘘はあまり言いません。』
「あまりって事は、嘘も言うってことじゃないっ!」

女性は、微笑で言った。
『ならば、このままが良いと言う解釈で宜しいんですか?まぁ、私たちとしましてはサンプルが多いに越した事は、ありませんからね?』

「くっ…わかったわよ。やってやるわよ!」

扇戸は、半強制的ではあるが…実験にへの協力を受け入れた。

『ふふ、宜しいです。おっと?そんなこと言ってたら早速ソレが来ましたよ。』
と女性は、言うと扇戸との通信を切ったようでモニターで鑑賞を始めたのだ。
コイツは、悪趣味すぎると思ったが明白な目的もわからないから更に不気味でもある。
モニターに視線を戻すと、霧に影が見えてきた。
何の影だろうか?
ソレは、ユラユラとゆっくり近づいていく。
「な…何あれ? 」
扇戸が、震えているのがモニターの画面の震え具合でわかる。

そして…不気味な音声が聞こえてきた。

「オマエアナタキサマオマエアナタキサマ…ヨウコソオカエリクダサイ…タダイマイッテラッシャイ」
その音声の主は、近づいてくるソレだったが霧に隠されていたフォルムが露になり人のようだったが。
「あ……足が無い……。」

膝から下が無かった。
そして、顔も黒く塗りつぶされたかのように無かった。

「あ…あっ……な、何これ?」
扇戸は、腰が抜けてしまい地に尻餅をついてしまった。

「こ…ここ来ないでよぉっ!」

後退りは、するが立つことが出来なかった。

「いや、いや…お願いだから。」
すると、扇戸は失禁し霧が立ち込める中で彼女より湯気が上がった。
だが、無情にもソレは扇戸を捕らえた。

「アアアホシイクダサイアリガトウタイセツニぃっ!プレゼントプレゼントプレゼントプレゼントプレゼントメリークリスマスアケマシテオメデトウ」
ソレは、扇戸に対して意味が不明な言葉を繰り返し手を扇戸の頬に当てた。
「ペリパリピリポリパリ」

そして、顎下の皮膚を掴んだ。

「え?あっ!まさかっ…お願いだから止めてよぉっ!」
その時、モニター越しにソレの黒く塗りつぶされた顔の先にあるものが見えてしまった。
多分、扇戸にも見えていたのだろう。
だが、次の瞬間には扇戸の顔から皮膚はガムテープを剥がすかのように剥がれていた。

「ぃっ!」

扇戸の本体も、痛みを感じているのだろうか?モニターにて見える扇戸の様に痛みで暴れていた。
ソレは、暴れる扇戸の首を掴み先程剥がした顔の皮をチラチラ見せた。

「か…かえして…よ。」
ソレは、扇戸の顔の顔を黒く塗りつぶされた顔に入れた。
ムシャムシャと、それはまるで生春巻の皮を丸めて食べているかのようだった。

「あ…私の…私の食べないで…。」
すると、それは首を掴んでいない方の手で耳を掴んだ。

「え…いや、止めて耳は耳は!」
だが、彼女の願いは無惨にも打ち崩され彼女の頭部より片耳が千切り取られた。

「あァっ…いぃっひぐ。」

あまりの痛みに、悶絶してしまっている。
拘束されてる彼女の本体も、涙と鼻水…涎が駄々流れになり正常な判断が出来なさそうだった。
あまりの非道ぶりに、女性の胸ぐらを掴み止めさせようとしたが…逆に彼女に掴まれて床に顔を叩きつけられた。

『実験の邪魔をするなんて…そんな野暮なことしちゃって危うく殺したくなっちゃうわ。』
自分の無力さに、涙が出た。
そんな中で、モニターの中の扇戸は千切れた耳元より出血していた。
ソレは、千切り取った扇戸の耳を黒く塗りつぶされた顔で見つめていた。

「ヤワラカイアタタカイフンワリナメラカサラサラヤワラカイ…。」
また意味が不明な言葉を繰り返した。

そして、ソレは首を押さえていた手を扇戸の頭部のコメカミ付近を掴み口を開けさせた。

「えっ!なぁなふぃっ!」
先程、千切りった扇戸の耳をその口の中へと入れていく。

「ひぃっ!ふぃっやぁ…。」
そして、耳を喉の手前まで入れて強引に呑まさせた。
扇戸は、自身の耳を反射的に飲んでしまった。

「あ…おっおぇっ!」
扇戸は、吐き出そうとしたがソレは躊躇無く口に指を入れ舌を掴む。
「う……うぉっふぁめ、うえっ…。」
次の瞬間には、口に入れられた指が彼女の舌と一緒に出ていた。
扇戸の口から、血が溢れんばかり流れ出て口を金魚のようにパクパクしていた。
なお、拘束されている本体も流血はしていないが…同様だった。

やがて、動くのを止め…扇戸は動かぬ物と化した。
それを見て、女性は高らかに笑った。

『アハハハ、大成功だよ!外的危害を与えずに死んだ…死んだよ?見た?あの不様な死に顔?あぁ~多分何度見ても笑いのネタになるよ?』

『いやぁ…聴覚や視覚も恐怖を与えるとこうもあっさり死ぬなんてね?いやはやアイツに話を考えさせて正解だった!』
話?
直ぐに、疑問は解決されるのであった。

『疑問そうな顔をしているね?アイツら、サンプルに体験させたのはコレだよ!こ~れ?』
女性は、紙をヒラヒラと指で掴み舞わせてる。
それは、最初にスキャナーに読み込まさせていた少女に書かせていた紙だった。
『見せてあげようか?ほら?』
その紙には、先程…扇戸が体験させられた内容と恐ろしい程に酷似していた。
『ふふ、もうわかったでしょう?そう言えばまだ名乗って無かったわね?』
『サービスで教えてあげるわ?私の名前はルナヴァー。私はね、単純に怖い話を体験させたいのよ。』

女性は、満面の笑みで正面から話し掛けてくる。
『あの子は、ね?まぁ…吉備ちゃんって言うんだけど…話を考えさせるために誘拐してきたの?何か、賞とか取ってるし…少し誉めたらチョロかったよ?』

『まさかっ!自分の作品で、死人を出すとは知らずに協力してさぁアハハハ!』
な…なんて、なんて恐ろしい事をするんだ。

『毎夜、お母さん!お父さんって泣くのよ!ね?可愛いでしょうフフフ!』
あまりの衝撃に、考える事が出来なくなった。

『コレを利用して…先の未来で愚者達を私達の支配に陥れようと思ってるよ。』
く、狂ってる。

その考えは、人の命を軽視しすぎていた。

『ククク…じゃあサービスで、貴方に嬉しいことを教えてあげるよ?』
女性は、口角を上げて話した。

『次は…貴方の番だよ。』

そこから、視界が闇に堕ち…その先何が起こったか少なくとも私には語る術は無い。
もしかしたら、私のことも話として先に語られるかもしれない。

そして、誰かの命を奪うことにならないことを願うだけである。

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