怪獣映画 投稿者:おくびょうカリー

これはとある映画を見ていた時の話だ。
それは一部の人間にとっては話題の映画だった。
というのもその映画には、映ってはいけない人間が映っているというのだ。
この映像に気付いたのは映画の感想を書いているブロガーだった。

内容は人間の環境破壊に怒った怪獣が人間を襲うというよくあるものだ。
子供向けとして作られたが、この話が出回ってからは公開が中止になるほどだった。
配信もとりやめになり、映画公開と同時に発売されたDVDが現存するだけで、見る手段は限られている。

公開から20年、動画配信者が生配信で映画を検証するという企画を立てた。
実際はスタッフやエキストラが映ってしまっただけなのだろうと思っていた。
動画配信者が映画を見ながら配信をしていると、急に映像が乱れた。

視聴者は演出の一部だと思ったのだが、数分後、事態は一変した。
配信者が画面の前で倒れたまま動かない。
最初はドッキリかと思った視聴者も、数分経っても何も変化しないその映像にだんだんと恐怖が増してきた。

何故ならこの動画配信者はチームでやっているはずなのに、スタッフの誰一人として彼に近づかないからだ。
それに加えて、一切の音がしない。
呼吸音や生活音、全ての音がだ。
そのまま画面はブラックアウトし、配信は急に終わった。

翌日、生配信が行われていた場所から4人の変死体が発見された。
配信者の知人の通報で駆け付けた警察は言葉を失ったそうだ。
そこにあった死体は、まるで子供が遊んだかのようにばらばらに引きちぎられていたからだ。

おかしいのはここからだ。
生配信を行っていたはずの配信者は、配信を行う数時間前には死んでいたそうだ。
そして体を引きちぎったのも彼だった。
時間から考えて、あの配信中に行われていた。
だが、視聴者の誰一人としてその映像は見ていない。

ならば、あの映像は何だったのか。
アーカイブにも残っていなかったが、録画していた人物がいたようで、数日後SNSでその時の配信を投稿した。
ほんの数秒、だが視聴者を恐怖させるには十分だった。

けたけたけたけた

真っ黒い画面の中で子供の笑い声が響いている。
そしてその子供の顔が見え、手がこちらに向かって伸びた瞬間、そのアカウントは消えた。

あの映像は何だったのか、あの時の事件は何だったのか、それから数年たった今でも何も分かっていない。
後に映像を最初に発見したブロガーが、オカルト雑誌の記者にインタビューを受けた。
その際に発した言葉に、世間の人々はより恐怖した。

雑誌記者「あなたが見たのは子供の映像だったんですか?」

ブロガー「知らない、そんな子供知らない。だってあの話は話題性を狙った嘘だったんだ。」

あの子供は今でもネットの世界から誰かを狙っているのかもしれない。
あなたが見ている画面は、本当は、コドモガノゾイテイルrrrrrrrrrr

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