PBBG第74回:海外メディア向けコメント

こんにちは、サカリPです。

今年1月の話ですが、STEAM版PBBGの配信に合わせて
海外のメディアからコメントを依頼されていました。
今回は、その日本語訳版の一部を掲載してみます。
割と無責任(笑)に答えていますが、楽しんでいただければ幸いです。

メディア)まず、PBBGがSteamでダウンロード配信されるということに対して、
何かコメントや期待など御座いますか?

海外メディアの取材を受けた際、STEAMでゲームを出したいという話をすると、
決まって喜んでいただけます。その度に、STEAMは海外ゲーマーには
すっかり定着しているプラットフォームなのだと感じていました。
そのSTEAMにようやく『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』を
配信できることになり、とても嬉しく思います。


メ)日本のゲーマーはよく、”難易度の低いゲームを求める”といわれていて、
対して海外
ゲーマーは”もっと挑戦的なゲームを求める”といわれます(FF12はその例)。
経験上では、どのように感じられるでしょうか。

 おっしゃる通りだと思います。
日本人は自分のプレイヤースキルを磨いてチャレンジすることや、人と競い合うことを
好まないゲーマーも多く、その代わり、ゲーム内キャラクターを育成・強化することを好み、
育成作業の効率化を研究するゲーマーも多いですね。
海外ゲーマーは全く逆の印象で、個人的には農耕民族と狩猟民族の違いなんだろうと
考えています。
とはいえ、年々Call of Dutyのベテランが簡単になっていくのを見ると、
最近は海外のゲーマーも必ずしも難しいゲームを喜ぶ訳ではないのかなとも思います。(笑)


メ)近年、国内メーカーが日本国内より海外をターゲットにおいて開発することがあるぐらいに海外のゲーム開発の発展に比べて、国内のゲーム業界が危機に面しているといわれていますが、”日本のゲーム業界がまたゲーム業界をリードするために何を行うべきか”コメントを頂ければと思います。また、海外をターゲットにおいて開発する事は、日本のゲーム開発が、自社商品の魅力を信じられなくなって海外仕様にしているのか、または合理的な判断に基づくマーケットのグローバル化の表れでしょうか?

多くの日本人は写実的表現のCGを求めていませんし、その生活習慣、環境などの
理由もあって高性能なコンソールゲーム機が昔ほど売れません。
少子化問題もあり、日本のゲーム市場は縮小傾向です。そのために
より大きな海外市場を狙っているのです。
しかし商業的にあまり大きな成功はしていないように見えます。
それは海外で売れそうなゲームを見よう見まねで開発しているからだと思います。
ではどうするか?
個人的には世界のゲーム業界をリードしていく必要はないと考えています。
市場規模とコストのバランスを保ちつつ、いかにも日本らしい作りのゲームを
開発していればいいのです。
最新の技術でリアルなCG表現のゲームが至高といわれるような市場は
元から日本向きではないのですから、無理に合わせる必要はありません。
80年代も90年代も日本はそうしてきました。世界のゲーム業界をリードしようと
思っていたのではありません。そういった自然体でいいのではないでしょうか。


メ)近年、ベルトスクロールバトルアクションはジャンルとして衰退傾向にあり、
オープンワールドのノンリニアーゲームが業界内にとって代わったように感じます。
バトルアクションのみならず、シューティングも人気がだいぶ落ち込んだようで、
例外を除いてはほぼ独立開発しか開発しなくなった現状に見えます。
その理由は何か、考えを伺えないでしょうか。また、その現状を変えたいと思いますか?

オープンワールドのゲームが増えたのは、お金がかかっているように見える
(そして実際にかかっている)から、大作志向の大手メーカーが
そこに注力しているせいだと思います。また、街並みをリアルに表現すれば、
どれだけ高い技術ですごい事をしているのかをアピールしやすいからです。
またDLCとも相性が良いです。要は大作のプロモーションに向いているんです。
オープンワールドならどんなゲームでも楽しいという訳ではないのですが。
その現状を変えるという大それた考えはありませんが、
これ以上の市場の規模拡大が難しい中で、
開発コストを上げていくだけではいつか破綻するのではないでしょうか。
バトルアクションやシューティングの人気が下火なのは事実ですが、
市場規模と開発コストのバランスを保っていれば、
すぐに死に絶えることはないと思っています。
その間に、新しい発想のアクションやシューティングを生み出す必要がありますね。

メ)3頭身(Chibi)は、日本国内のアニメ・漫画ではメジャーであっても、海外では
そのアピールが弱いと考えられています。どうしてそのスタイルを選んだのでしょうか。
また、このスタイルでゲームの成功にどのような影響がありましたか?

海外では3頭身がアピールが弱いとは考えていませんでした。
マリオもソニックも3頭身です。逆にファントムブレイカーバトルグラウンドは
日本で作られたゲームだとアピールするには3頭身が適していると思っていたぐらいです。
むしろ心配だったのはアニメ調のデザインで、しかも主人公が女の子という点でした。
ドット絵とアニメの両方のファンであるゲーマー、そして主人公が女の子ばかりという
設定を喜んでくれるゲーマーがどれくらいいるのか、全く予測できませんでしたから。
結果として、ある客層(例えばアニメエキスポに参加するようなゲーマー)には
一定以上の評価をいただけたとは思っています。
海外へ進出しようとしているMAGES.に今必要なのは、ブランドの認知と固定ファンです。
まずはそこから少しずつ足場を築いていければと思います。

以上です。
いかがでしたか?
割と文化的な違いを訊いてくる印象ですね。
他にも色々と質問はあったのですが、
掲載すると問題ありそうなものもあったので割愛です。(笑)

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